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非居住者口座情報の自動情報交換制度(CRS)

共通報告基準

外国の金融口座を利用した国際的な脱税及び租税回避等に対処するために、OECDは平成26年に「共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」を公表しました。これにより国際的な基準が定められ、その国の金融機関は、その国における非居住者に係る金融口座情報をその国の税務当局に報告し、これを各国の税務当局間で互いに情報提供することとなりました。

 

CRSの概要

各国の税務当局は、それぞれ自国に所在する金融機関(1)から非居住者(個人・法人等)に係る金融口座情報(2、3)の報告を受け、これを租税条約等の情報交換規定に基づき、各国税務当局と自動的に情報交換します。

 

1.報告義務を負う金融機関

銀行等の預金機関、生命保険会社等の特定保険会社、証券会社等の保管機関及び信託等の投資事業体が報告義務を負います。報告義務を負う金融機関は、共通報告基準に定められた手続きに従って、口座保有者の居住地国を特定し、報告すべき口座を選別します。当該金融機関が行う具体的な居住地国の特定は、新規口座開設については口座開設者から居住地国を聴取等し、また、既存口座については口座保有者の住所等の記録から行います。

 

2.報告対象口座

普通預金口座等の預金口座、キャッシュバリュー保険契約・年金保険契約、証券口座等の保管口座及び信託受益権等の投資持分

 

3.報告対象情報

口座保有者の氏名・住所(名称・所在地)、居住地国、外国の納税者番号、口座残高、利子・配当等の年間受取総額等
本制度により、日本の税務当局は、日本に金融口座を所有する非居住者の情報を各国の税務当局に提供することができます。一方で、外国に金融口座を所有する日本の居住者の情報も各国の税務当局から日本の税務当局へ提供されます。