2024-10-31
日本では適正・公平な課税を実現する観点から、国境を越えて有価証券口座間の移管を行った場合、調書の提出を義務付ける「国外証券移管等調書制度」があります。
1.国外証券移管等調書制度
国境を越えて有価証券の証券口座間の移管等を行った金融商品取引業者等は、「国外証券移管等調書」を税務署に提出することが義務付けられています。これにより、富裕層が国境をまたいで有価証券を運用し、利益や譲渡所得を得て、それを申告しなかった場合でも、日本の税務当局は、課税逃れを把握できるようになっています。
2.対象取引
対象となる取引は、国内の証券口座から国外の証券口座への有価証券(株式等)の移管、又は国外の証券口座から国内の証券口座への受入取引です。移管等の依頼者は、法人、個人、居住者、非居住者、内国法人、外国法人を問わず、原則としてその者の氏名、住所、取引事項などを記載した告知書を金融商品取引業者等の営業所長等に提出する必要があります。
3.提出先
金融商品取引業者等の所在地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
4.マイナンバーも関係
国外証券移管等調書にマイナンバー記載欄が設けられているため、国内証券口座から国外証券口座への有価証券(株式等)の移管、又は国外証券口座から国内証券口座への受入取引がマイナンバーと紐付けされます。
日本の税金に関する問題及び対策は、正しい知識と総合的見地からの検討が必要です。国境越えの有価証券口座移管を考えの方は、是非ご相談ください。